ICOM CATインターフェースの自作

CATインターフェースは、PCとRigをRS-232Cケーブルで接続し、CAT通信ができるインターフェースである。最近は、PCのM/BにRS-232Cの端子は付いているが、寂しいことにリアパネルに接続コネクタが付いていないが、接続コネクタを自作する、増設ボードを取り付ける、またはUSBシリアル変換ケーブルを使用すればCAT通信はできる。

ここでは、PCとICOMのRigを接続して、CAT通信ができる「CATインターフェース」を自作する。

1、回路図

PC側のRS-232C接続コネクタは、D-sub 9pinコネクタを使用する。また、ICOMのRig側のCI-V信号は、Remoteジャックから取り出す。ここでは、データをやり取りするだけのため回路そのものは至って簡単で、TXDとRXDとGNDの3本の信号だけを利用すれば十分CAT通信ができる。

❶ TXD(Transmit Data)送信データ
❷ RXD(Receive Data)受信データ
❸ GND(Ground)信号用接地または共通帰線

DSRとDTRおよびRTSとCTSは、信号処理が許容オーバーするとフロー制御の働きをする。この端子同士が離れていると無信号の状態になるので、理論上はアクティブになるまで待ち続けることが予測される。しかし、この端子同士を結線すると送信許可信号を返すので、フロー制御が無視されて通信が行われることになる。また、RTSは回路の電源として利用する。

RS-232Cの信号はTTLレベルで、マーク(H)が-15V~-3V、スペース(L)が+3V~+15Vで、負論理の制御信号である。また、スレッショルド(閾値)電圧は±3V程度である。

ICOMは大部分のRigに、CI-Vインターフェースが搭載されている。CI-VのCAT通信は単線で行われるため3.5mmのモノラルピンジャックを内蔵している。ここで作製するCATインターフェースは、DCジャックを介してRigのRemoteモノラルピンジャックへ接続する。CI-Vインターフェースの信号はTTLレベルで、マーク(H)が+5V、スペース(L)は0Vで、正論理制御信号である。RS-232Cの信号レベルを考えると、信号を反転させてレベル変換する必要がある。その論理反転の役目を任されているのが、Tr 2SC1815のエミッタ接地回路である。この回路でRigにかかるマーク(H)電圧は、おおむね+4.8V程度になるが問題無く作動してくれる。

この回路は、ICOMのRigを2台接続できるようにしたが、2台のRigに火を入れた状態で操作すると、直結分岐のため2台とも同じ作動するので、使用しない方のRigは火を消しておく必要がある。PC側でPTT操作をする場合は、特に注意しなければならない。

2、パーツの極性

下に使用するCDジャック、Tr 2SC1815、RS-232C D-sub9ピンソケット(メス)の極性およびピン配置を示す。DCジャックは手持ちの太い物を使用したが、購入する場合は小さめの物を使用した方が、穴あけ加工が容易である。また、東芝はC1815を生産終了したが、現在でも海外で作られており、入手も簡単で問題なく作動している。また、このトランジスタは代替品も数多くあるが、自作の好きな方の引出しには必ず入っているという、現在でも必要不可欠な石っころだろう。

3、基板作製

ここではプリント基板をエッチングして作製したが、簡単に済ませたい場合は蛇の目基板を使用すると良い。左はエッチング前の図の画像で、右はエッチング後の銅箔面の画像である。


4、パーツ配置図

下画像は、パーツ取り付け側から見たパーツの配置図である。図面上のRS-232C.7 RTSおよびRS-232C.8 CTSは、D-sub9ピンソケット側で結線する。

5、ケースに収納

下画像は、基板にパーツを取り付けた画像および、基板をケースに納めて配線を施した画像である。基板をケースに納めるときは通常ビス止めするが、ケースの高さが足りないために、絶縁性の高い耐熱用の接着剤で取り付けている。

6、CI-V接続ケーブル

下図は、ケースとRigのCI-Vを接続するケーブルである。CAT信号が行き来するのでシールド線を使用する必要がある。長さはRigに届く範囲で良いが、ここでは約2メートルにした。


7、完成

下は、作製したケースにRS-232Cソケット側にUSBシリアル変換ケーブルを接続し、DCソケット側に上記6で作製したCI-V接続ケーブルをセットした画像である。現在は、RS-232C増設ボードを使用して直接RS-232CケーブルでPCに接続しているが、快適に作動している。

page_top