SDR用 HFコンバーターキットの組立
【 更新日:2019年04月25日 】

SDR(Software Defined RADIO)ソフトウェアラジオで受信する場合は、チューナーにドングル(Dongle)と呼ばれるUSB TVワンセグチューナーを使用する。このドングルを単体で使用すると、おおむね24MHzから1700MHzの広帯域受信が可能になる。また、周波数をコンバートすることでHF帯全域やLF・MFの受信も可能である。

そこで、今回はSDRソフトを用いて、MF帯からHF帯まで受信を可能にしたHFコンバーターキット「RTL-SDR対応HF UP CONVERTER SC-HFCONV-100」を組み立てることにする。キットに使用するパーツそのものはわずかだが、鉛筆の芯よりも小さいと思える程のチップ型なので、初めて組み立てる方の苦労話を良く耳にする。そこで、筆者の使った道具やハンダ付け方法などを紹介させていただき、今後組み立てる方の参考になれば幸いである。なお、組立の方法やパーツ配置などは、「組立説明書」に細かく書かれているのでここでは省略する。

「SC-HFCONV-100」キットの入手先は、「HFコンバーターキット」からメールで申し込む。また、必要があれば、基板に取り付けるコンバーター切り替え用リレーを別途料金にて送っていただける。なお、「組立説明書」および「回路図」も同ウェブサイトからダウンロードできる。

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RTL-SDR対応HF UP CONVERTER SC-HFCONV-100

1、必要なパーツ

上記の入手先ウェブサイトにも掲載されているが、下の画像がお送りいただいた「HFコンバーターキット v1.8」のパーツの内容である。

2、組立に必要な道具

習熟者が行うチップ部品のハンダ付けの様子は、ウェブ上で誇らしげに紹介されているが、初心者はチップ部品を見ただけでうろたえてしまう。そこで、筆者がチップ部品をハンダ付けする時に使用する道具を紹介し、その使い方を簡単に説明するが、参考になれば幸いである。なお、画像上に盃が見てとれるが、「酒を飲みながら組み立てればうまくいく?」ということではないので、誤解されないようにお願いしたい。

道具と使い方
番号 道具 使い方
 ① ハンダごて 30WをACパワーコントローラで温度調節しながら使用する。コントローラを使用しない場合は、20W程度が良い。
 ② こて先 先端の細いものがない場合は、同軸10D2Vの心線を加工して利用する。(下記参照)
 ③ ハンダ 太さは0.3mmから0.6mm程度が使い易い。
 ④ フラックスおよびフラックス入れ フラックスが固い場合は、有機化合物が含まれる除光液などで、微量で薄めて使用する。
 ⑤ フラックス筆 メイク用の細い筆は使い勝手が良い。
 ⑥ ピンセット 先端の細いものを使用する。チップケースからチップ部品取り出して基板上に載せるときだけ使用し、基板上では千枚通しに任せる。ピンセットでチップ部品を何回も掴んでいると飛ばしてしまう。
 ⑦ 千枚通し 基板上でチップ部品の移動や、ランド上にセットするときなどに使用する。
 ⑧ カッターナイフ チップケースの蓋を開けるときに使用する。
 ⑨ ラジオペンチ チップ部品の押さえに使用するが、重さは100gから150g程度、取手付きで左右に動かないもの、押さえたときにチップ部品が見え易いものであれば何でも良い。
 ⑩ 爪楊枝 チップ部品の押さえに使用する。
その他 ケース チップ部品が落ちても探せるように、白色の紙箱等で回転できるもの、さらに淵にペンチの取手が乗せられるものであれば最高。
拡大鏡 なくても良いが、これがあれば鬼に金棒である。

上記②のこて先を、10D2Vの同軸ケーブルの心線でペン型に加工した画像である。ハンダ付けに慣れてくると、先の平らなD型などに加工した方が使い易いが、初心者はペン型が使い易い。購入しても良いが「自作のプライドはどうする?・・・。」「プライドなんかないよ!」「そうか・・・」

3、基板とチップ部品の固定方法および拡大鏡

ハンダ付けする際に、基板が小さくて動いてしまうので、ハンダ付けしない部分をセロハンテープ等で固定する。

ここでラジオペンチと爪楊枝が活躍する。チップ部品が動かないように重り代わりに使用するが、下の画像のように爪楊枝をラジオペンチで挟んでテープ等で固定する。また、ラジオペンチは左側の画像で見て取れるように、基板に対して水平に置かないと動き易くなる。固定の角度は右画像のように、直角に挟むよりも少し斜めに挟んだ方が、ハンダ付けする部分が良く見えるので、ランドにこて先を付け易くなる。

なお、画像のようにケースを利用してハンダ付けするが、ケースを使用する理由は、チップ部品を落とした時に探し易いこと。もう一点は、こて先をランドに当て易いようにケース毎回転できることである。基板が回せないと無理な体制でこて先を持っていくので、チップ部品が動いてしまったり、ハンダがうまく載らなかったりして接触不良になる恐れがある。

下の画像は、筆者の使用している蛍光灯付きの拡大鏡である。拡大鏡の入手前は、チップ部品のハンダ付けは避けるようにしていたが、この拡大鏡を入手してからは、チップ部品のハンダ付けが普通のパーツのハンダ付けと変わらなくなった。勿論目の良い方は拡大鏡がなくても問題ないだろう。

4、配置図と完成画像

下図は、組立説明書に載っているパーツ配置図および完成画像である。見易く拡大したので参考になれば幸いである。なお、バージョンは1.7だが1.8とコンパチである。また、組立方法などは、「組立説明書」に分かりやすく記載されているので説明書を見ながら組み立てる。

<パーツ配置拡大図>

<完成画像>

ダウンロードした「組立説明書」のバージョンは1.7で、推薦組立順序のリレー(オプション)に「SJ2, SJ3のランドからハンダを除去する」ように記載されているが、バージョン1.8ではハンダは除去されているので、リレーを付加しない場合は、SJ2, SJ3のランドをハンダでつなぐこと。

下の画像は、「SC-HFCONV-100」の組立が完了して基板に仮配線を施し、SDR対応のUSBドングルをパソコンにセットした状態で、受信の確認をしているところである。
ソフトは、HDSDRを使用したがノイズもなく綺麗に作動していることが見て取れる。

5、最後に

実は事前に「SC-HFCONV-100」の完成品を入手し、専用のアルミケースに入れて使用している。今回組み立てたキットは、プラスチックケースで簡易型の切り替えボックスを作製して納めているが、SDRソフトを立ち上げ、受信状態を比較しても完成品と変わらない。また、プラスチックケースに納めても、内部ノイズなどが発生する様子もなく、高性能なコンバーターである。

このコンバーターを入手してからは、仕事用のパソコンに SDRのソフトをインストールし、仕事をしながらHF帯のアマチュア無線をラジオ代わりに聞いている。実に快適である。興味のある方に超おすすめである。

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