オーディオスプリッターの自作

あなたは、パソコンやスマートフォン、またはオーディオレコーダーなどから出力される音楽をいろいろなスピーカー、またはいろいろな機器などを通して聴きたいと思ったことはないだろうか。

そんなときに使用する簡易的なオーディオスプリッターを自作してみることにした。入力は1回路とし、出力は8回路で構成するが、出力が大きく落ち込んでしまうので、各出力側にオーディオアンプを1段挿入してステレオ出力にする。

1. 回路図

下図は全体の回路図で、左が回路1で右側へ順に回路8まで並べてある。また、下側が Left側、上側が Right側でステレオ構成である。

アンプの電源電圧は DC+12Vを供給し、メインスイッチを取り付けて全てのアンプの ON/OFFができるようにする。また、メインスイッチを介して各々の回路にもアンプ ON/OFFにできるスイッチを取り付け、出力側に機器が接続されてない回路、または必要としない接続機器の回路は出力信号を流さないように OFFにし、必要な接続機器のみ出力信号を流すよう ONにする。なお、電源 ON/OFF確認用 LEDをそれぞれのスイッチに取り付ける。

オーディオ信号は入力直後8分配し、それぞれの信号を2連ボリュームでゲインコントロールしながら各々のアンプへ流し込む。また、回路8にステレオジャックを取り付けて、通常出力とヘッドフォンを交互出力にする。

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下図は、上回路図から回路1の Left側だけを切り取った図面で、左側が入力、右側が出力になる。

オーディオ信号増幅は定電圧オーディオアンプ「LM386」に任せる。電圧利得は最大でおおむね20倍~200倍になる。

LM386 ➡ [ LM386データシート.pdf ]

2. パーツ配置図およびプリント基板用マスキングシート

下図の左はパーツ配置図で、右はプリント基板用のマスキングシートである。

マスキングシートの作成方法は、画像編集ソフト(hotoshopなど)でレイアウトを作成し、A4のラベル用紙に印刷を施したものをプリント基板に貼り付け、カッターで仕上げる。

基板の大きさは(縦170mm×横150mm)となった。

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下に1回路のみ拡大した図を載せた。左はパーツ配置図、右はプリント基板用である。1回路の大きさは(縦37.5mm×横37.5mm)である。

下図は各アンプに信号を送る分配器で、左は10μFの電解コンデンサーを配置する上側である。右はプリント基板用の銅箔面側で、基板の大きさは(縦50mm×横100mm)である。

3. 配線図

下図は電源の配線図で、後面パネルの DC+12V(DCジャック)から前面パネルの MAINE SW(電源スイッチ)およびLEDを介して、基板の各回路へと電源が供給される。

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下図はオーディオ信号の配線図で、後面パネルの AUDIO INから入力された信号は分配器で分配され、前面パネルの VR(2連ボリューム)でゲインコントロールされ、基板の各増幅回路へと流れる。そして増幅された信号は、後面パネルの AUDIO OUT(ブッシュターミナル)へと出力される。

回路8で増幅された入力信号は、いったん前面パネルの PHONE IN(2.5mmステレオジャック)に運ばれ、ヘッドフォンプラグを差し込むと信号が聴けるが、後面パネルの AUDIO OUT⑧の信号出力は OFFになる。ヘッドフォンプラグを抜くと、後面パネル AUDIO OUT⑧に信号が流れるようになる。

なお、これらのオーディオ信号の配線は、すべて2芯シールド線を使用することになる。

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4. プリント基板加工およびパーツ取り付け

下の左画像は、プリント基板に形状パターンを残すためのマスキング作業中、中央はエッチング中、右はエッチング後のプリント基板に穴開け加工中で、終わったらフラックス処理を施す。

なお、フラックスを銅箔面全体に塗ることで、銅箔の腐食防止になる。

下の左画像は基板にパーツを取り付けて半田付けした裏面、中央はパーツを取り付けた表面、右は基板に配線を施したものである。

この基板の電解コンデンサーは、全てオーディオ用を使用したが、この程度の機器では、汎用コンデンサーを使用しても問題はないと思う。

5. 前後面パネル作製

前後面パネルは仕上がりが綺麗になるため、加工のしやすい塩ビ板で化粧パネルを作製した。

下左画像はパネルの内側で、下は前面に2連ボリュームと LEDを取り付けた画像。上は後面にブッシュターミナルとステレオジャックを取り付けた画像である。

下右画像はパネルの外側で、下が前面パネル、上が後面パネルである。

6. ケースに納めて配線

下画像はケースに基板を取り付けて配線を施し、結束バンドでまとめた画像である。

右画像の下側に白く見えるのは、前記図面にはないがヒューズを取り付けたものである。

左は左側から見た画像、右は180度回転した画像である。

下画像は上から見た画像で、左は下が前面、右は180度回転した画像である。

7. 完成

今回は手持ちのプラスチックケースに収めたが、実際には増幅回路のため金属ケースに納めたいところである。ケースの大きさは(W220mm×D270mm×H75mm)である。

左は前面、右は後面。

下の画像はオーディオセットに付加した画像で、完成自作したオーディオスプリッターの前段に、過日自作したオーディオセレクターを接続している。

● 接続したスピーカー等
・フルレンジは、直径24cm8Ω、直径16cm8Ω、直径8cm8Ω
・フイルター付トゥイーターおよびウーファー(アンプ内蔵)
・アンプおよびフイルター付サブウーファー(アンプ内蔵)
・その他、ヘッドフォンなど

8. 考察

今回自作したオーディオスプリッターは出力が小さいため、トゥイーターやウーファーなど出力不足になる機器はは、アンプ付きを使用するかスプリッターの後段にアンプを挿入することで解消されfる。

このスプリッターは、多くのスピーカーやオーディオ機器を接続したまま手元で接続機器の ON/OFFおよび音量調節ができるため、オーディオツールとして重宝している。

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